こんにちは。
観劇三昧OLです。
メリリー大千秋楽を観劇しました。
事前に「2回観た方がいいよ〜」という声を各所で聞いていたのでその予定でしたが、昨今の事情により本当の大千秋楽は中止に…。
とりあえず1回観れただけでもよかったです。
それにしても感想がまとまらんレベルで話について行くのに必死でした…
今回は思ったことをざっとまとめています。
それでは、
レッツゴー!
概要
キャスト
フランク 平方元基
チャーリー ウエンツ瑛士
メアリー 笹本玲奈
ベス 昆 夏美
ジョー 今井清隆
ガッシー 朝夏まなと
テリー 岸 祐二
タイラー 上口耕平
スコッティ 渚 あき
メグ 中別府 葵
ジェローム 宮原浩暢 (LE VELVETS)
バンカー 中井智彦
ルー 井阪郁巳
ドリー 家塚敦子
K・T 三木麻衣子
ジュディ 森 加織
ゲスト 雅原 慶
ゲスト 高木裕和
フランクJr. 前田武蔵・荒井天吾
ストーリー
1976年(40歳)
この物語のはじまりであり、終わりでもある部分。
ブロードウェイの作曲家から映画プロデューサーに転身し成功をおさめたフランク。最新作の成功を祝して彼の家ではパーティーが開かれているが、古くからの友人メアリーは映画の出来に批判的。妻である大女優ガッシーとフランクの不倫相手メグが諍いを起こしパーティーは大荒れに。フランクは過去を思い出していく。
1973年(37歳)
NBC報道番組のスタジオでフランクとチャーリーは次に上演する上演するミュージカルのインタビューを受ける。チャーリーはガッシーに言われるまま映画の仕事にかかりきりになっているフランクに不満を抱いている。そこへフランクの新しい映画契約の話を聞き激怒。
1968年(31歳)
セントラル・パークにあるフランクの家。クルーズ旅行から帰ってきたばかりのフランクを息子、チャーリー、メアリーの3人が訪れる。チャーリーはフランクから2人の作品「ブロードウェイの恋人」映画化の話を聞き難色を示す。フランクはいつの間にか出世を望むようになっていた。
フランクの家にはガッシーとその夫ジョーも訪れてきた。
1967年(30歳)
マンハッタンの裁判所。フランクはベスに離婚裁判を起こされる。息子を失えば生きていけないと取り乱すが、フランクに勝ち目はない。周りの人間たちにクルーズ旅行を勧められる。
1964年(27歳)
アルヴィン劇場。ジョーがプロデューサーを務めガッシーが出演するフランクとチャーリーの初ブロードウェイ作品「ブロードウェイの恋人」公演初日。公演は大成功し、フランクの妻ベスも大喜び。公演後は打ち上げパーティーがあるが、妻が産気づいてるチャーリーは不参加。ベスもお産に付き添いたいと言い、メアリーの忠告を無視して劇場を後にする。
1962年(25歳)
サットン・プレイスのガッシーとジョーの邸宅。ガッシーに招かれたフランクとチャーリーは自分たちのミュージカルが認められたと思い、ベスを伴ってパーティーに訪れる。ガッシーはフランクを気に入っており、ベスにわざとワインを零したり「あなたの旦那様に夢中になってもいい?」とベスを煽る。
1960年(23歳)
グリニッジ・ヴィレッジのナイトクラブ。フランク、チャーリー、メアリーの3人で作ったミュージカルを上演している。出演者はフランク、チャーリー、ベス。そこにジョーと婚約者のガッシーが訪れ、公演がジョーの目に止まる。公演後、フランクとベスはその場で式を挙げる。
1959〜1958年(22〜21歳)
ニューヨーク。フランクとチャーリーはミュージカルを作り始め、プロデューサーであるジョーのオーディションで作品を売り込む。2人のミュージカルに出演するオーディションを受けに来たのがベスだった。
1957年(20歳)
グリニッジ・ヴィレッジの古い安アパート。フランク、チャーリー、メアリーは同じアパートに住んでおり、お互いに夢を語る。
ここから全てが始まる。
ガッシーさんの美しさ
朝夏まなとさん演じるガッシーさん麗しすぎてさ。
公演やるよーって決定したときあんまり観る気無かったけど、朝夏さんのポスターのビジュアル見てチケット取ったぐらいこのお顔が好きで。
これです。白いお衣装の方。
めっちゃ綺麗。
そりゃあフランクこっちいくよな…。
安定を求める義父義母&直接的には言わんくても「売れるものを作れ」と匂わせてくるベスと比べたら、はるかに自分のことを認めてくれる。
結局ガッシーさんも売れることに重きを置いてしまって破綻したけど、それでもあの時あの瞬間フランクに必要やったのはきっとガッシーさんだったのよね。
でもガッシーさんはフランクのどこに惹かれた…?
ジョーと一緒になったのは自分が売れるための打算かなあと思うけど、あの時のフランクにガッシーさんが惚れる理由ってあるんか…?
もし本気でフランクの作曲した曲に惚れて不倫してたなら、意外とガッシーさんもピュアな心の持ち主よね。
ガッシーさんって基本悪者の立ち位置やけど、心からの悪人じゃないというか、嫌いにはなれないタイプ。
ベスの方が覚悟決めて結婚した割にあの親の子やなあ…と複雑な気持ちになったから、欲望に忠実なガッシーさんは分かりやすくて好きです。
フランクの人柄について
傍から見てたらまあまあのクズ。
結局、フランクは窮屈なのが嫌なんやろうなあ。
売れるものをもう一本だけ作って欲しいとお願いするベスが嫌になり、そんな時に現れたガッシーに心を奪われてしまう。
何かと口を出してきてうるさいガッシーに嫌気がさし、新しい別の女優にうつつを抜かしてしまう。
結局、今自分がやりたいことに対して大手を振って賛成してくれる都合のいい女が欲しいだけで、「誰かと共に生きる」という意識が全く無い人なんやなと思いました。
結婚には向いてない。
離婚の時も「息子がいないと生きていけない」と言っていたような気が…。あれベスは…。
作品と自分の意思に没頭してしまうタイプで、それを応援してくれる女性に流れてしまうのよねきっと。
1番はじめの、現在の場面の後(作中では描かれていない今後)恐らくガッシーは逮捕されてフランクと離婚するんでしょうね。
フランクは顔と心の傷ついた女を愛せるほど懐大きくないからメグとも破局、1人で寂しく作品を作るのかしら。もしくは作れなくなってチャーリーの成功を哀しく見ている?
せっかく過去を振り返ってボタンを掛け違えた部分を見つけられたから、チャーリーとメアリーに今までのこと謝罪して元の3人に戻れたらいいな、と思います。
ただ、大人になってから関係がこじれると一生響きそう。
次の章でも書きますが、私がこの作品のメッセージかな、と思った「今は過去の積み重ね」という当たり前の現実を、フランクも身をもって知ったからこそ、じっとしてたら絶対にやって来ない「3人で過ごす未来」を掴むために動いてほしいなと思います。
時間の逆行
時間が現在→過去へと逆行するのを見ていると、
「ここでこうしたからあの未来があるのね…」と、まるで答え合わせをしているような感覚になる場面が数多くありました。
メアリーの忠告を聞かずにパーティーに行かなかったベスは結局ガッシーにフランクを取られてしまった。
2人で作った作品「ブロードウェイの恋人」の映画化を勝手に承諾してしまったフランクはその後も映画ばかりに力を入れ、Old Friendsのチャーリーに見限られてしまった。
もしあの時話を聞いていれば。
もしあの時話をしていれば。
現在から過去に遡っていくことで、現在の結果に対してここの選択を違うものにできていれば…という後悔を観客と一緒に回想しているつくりになっていて、二度と3人で人工衛星を見ていたあの頃には戻れない切なさがギュッと迫ってきました。
フランクが過去を回想して、この時ああすればよかった、こう伝えればよかった、と思ってもその過去はもう二度と変えられないし、
私たちにとっても、1番初めの場面で見たフランクの”今”は、話が進むにつれ私たちにとって過去の場面になるから、書き換えることができない。
時系列を逆行させることで、クサいセリフで説明せずとも 「今は過去の積み重ねである」 ことを身をもって感じられて、ある意味救いの無い物語だなと思いました。
ただ、変えられないのは過去と今だけであって、1番初めの場面以降の未来はフランク次第で変えることができます。
最後舞台に1人残ったフランクの顔は、(3階席だったので不確かですが)すがすがしいような気がしました。
過去を思い出し現状から目を背けずに向き合って、またチャーリーやメアリーと空を見上げられる日が来るように生きよう、と思ってくれていたらいいなと思います。
おわりに
今回はメリリーウィーロールアロングを観て思ったことをつらつらと書き連ねました。
キャストさんそれぞれに関しては、皆様本当に歌が上手くてそのあたりのストレスは皆無。素晴らしかったです。
席の問題か音響の問題かそもそも演出と劇場のキャパがミスマッチしてるのか分かりませんが、
小声で話す場面や早口でまくし立てる場面の台詞が聞き取りずらくて話を理解するハードルが爆上がりしていました。笑
ぜひ再演する際はブリーゼかドラマシティぐらいのキャパで5日間ぐらいやっていただきたいですね…。
あと、ナイトクラブでのショーにケネディ一家が出てきたり、「左向け左」を上演したいと言ったり、アメリカの政治・文化に造詣の深い方なら意図がよく分かるのであろう描写がいくつかあったのが印象的でした。さすがBWミュージカル…
(私はそんなに詳しくないので分かりませんが。)
初見と2度目で見方が大きく変わるんやろうな〜〜2回観たかった!!
今回は自分の選択ではなく不可抗力で失った1回なので、精一杯心の中で暴れてすっきりしたら、Apple musicでサントラ聴きながら思い出に浸ろうと思います。
それでは、
おあとがよろしいようで。
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