【感想】宝塚宙組『夢千鳥』ディレイ配信を見て思ったこと。

宝塚歌劇

こんにちは。

観劇三昧OLです。

宝塚宙組バウホール公演『夢千鳥』ディレイ配信を見ました!

これは普通にチケット取れなかったので有り難すぎる…!

みねりちゃんがさ…お美しすぎたんやわ…

お話の内容も、とても好きな部類でした。

心に残る場面が沢山あったのでまとめていこうと思います。

パンフレットがまだ手元に無いのでみなさんが知ってる情報を私だけ知らないなんてこともあるかもしれませんが、大目に見てください( ´・ω・` )

それでは、

レッツゴー!

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概要

なんと演出の栗田優香先生はこれが宝塚バウホールデビュー作だとか!

宝塚歌劇は素晴らしい演出家さんをまた一人ゲットしたのですね…。

あらすじ

映画監督の白澤優二郎は、女優の赤羽礼奈と事実上の婚姻関係にありながらも、新作を撮る度に主演女優と浮名を流し世間を騒がせていた。
そんな白澤が挑む次回作は、大正浪漫を代表する画家・竹久夢二の人生を描いた物語。
幼い頃から運命の女を探し続けた夢二もまた、艶聞の絶えない男であった。勝ち気な美貌の年上妻・他万喜と縁を切れないまま、純真な女学生・彦乃への想いを募らせ──
撮影が進むにつれ、白澤は自分と夢二の境界が曖昧になるほどに彼の人生に飲み込まれていく。
夢二の人生を描いた先に、白澤が見つけた愛とは…?

宝塚歌劇団公式サイト『夢千鳥』「公演解説」より引用。https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/yumechidori/info.html

キャスト

白澤優二郎/竹久夢二  和希 そら
赤羽礼奈/他万喜    天彩 峰里

笠井定代        美風 舞良
歌手          花音舞
藤岡正/久本信夫    凛城 きら
竹久菊蔵        星月 梨旺
夢二役         秋音 光
ヘアメイク       里咲 しぐれ 
プロデューサー     水香 依千
紺野陽平/恩地孝四郎  留依 蒔世
神崎社長        穂稀 せり
笠井宗重        若翔 りつ
おとら         愛海 ひかる
婦人矯風会会長     湖々 さくら
助監督         真名瀬 みら
お葉          水音 志保
女中          花城 さあや
菊子          花宮 沙羅
本屋の店員       凰海 るの
西条湊/東郷青児    亜音 有星
竹久松香        有愛 きい
芸者          彩妃 花
しずよ         朝木 陽彩
教師          嵐之 真
竹久茂次郎       真白 悠希
彦乃          山吹 ひばり
若い衆         大路 りせ
竹久不二彦       美星 帆那

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冒頭~他万喜登場

まず和希そらさんの別撮りご挨拶から始まり、驚きました。

ディレイ配信ならではでしたね!

その後も出演者の名前が映画のエンドロールのごとく流れるという珍しい流れ。

井上芳雄さんのコンサートの配信が終わっていなかったので、尺伸ばしてるのかと思いました。(そんなわけ

本編開始後はまず、白いお衣装に身を包んだダンサー達の登場。

お衣装がひらひらなびくようになっていて、冒頭から「鳥」を感じられる演出でした。

ひとしきり和希&鳥ダンサーが歌い踊った後に他万喜(天彩峰里ちゃん)が上から登場したときは、美しすぎて頭ぶん殴られた気分になりました。美。生で観てたら卒倒してたと思います。

リトルアナスタシアもかわいかったですが、あの頃からは想像もつかない大人の女性になっていました。赤がよく似合う。

夢二のDV~赤い羽根

お互いに別の相手の存在を感じ取った他万喜と夢二が言い争う場面。

スヴィッツラハウスでは「ビリヤードタンゴ」でしたが、夢千鳥は「DVタンゴ」でしたね。

天彩峰里ちゃんが大量の男役に囲まれているシーンは画の迫力がどぎつかったですね。美貌で世界を治めてる感じがしました。シシィか?

そして夢二の平手打ち、キス、抱擁、首締め…。

後ろで情熱的に踊られるタンゴと、燃えるような赤い照明。

DVシーンは見てていたたまれない気持ちになることが多いですが、今回に限っては「美しい」と感じました。

DVの後ろでダンスを踊っているのが見えているのはもちろん、

殴った後切なげに他万喜に触れる夢二のアメとムチの使い分けやテンポが秀逸だったからこそ、美しいシーンに仕上がったのかと思います。

極めつけは夢二が他万喜にナイフを振り下ろしたところ

とっさに盾にしたクッションから赤い羽根がバサバサっとあふれ出す場面は、思わず「オオっ…」と声が出ました。

あふれ出す羽根の鮮やかな赤と他万喜の白い肌・黒い着物とのコントラストがとても綺麗でした。

美しいけれど、狂気じみてる。実際に夢二は他万喜を切りつけているので、史実を宝塚らしく昇華した素敵な場面だと思います。

このシーンだけでも2時間はお酒が飲める。

彦乃と他万喜

彦乃が夢二に絵を見てもらうために港屋絵草紙店を訪れた場面。

彦乃と夢二が話しているときに出てきた他万喜が放った一言が非常に怖かったです。

「可愛らしい娘さん達がいると店が華やぐわ。ね、先生。

目の圧が凄かったですね。蛇ににらまれた蛙になります。

このあとも無邪気に夢二と関わる彦乃が他万喜の仄暗い雰囲気とは対照的でした。

彦乃とのキスシーンを目撃した(感じ取った?)他万喜の悲壮感が、柳の下の幽霊でした。

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あとは、夢二が彦乃を描いたあとかな?他万喜が彦乃を嫁にもらおうと言い出して彦乃の親に頼みに行った場面にて

「お嬢さんはもう・・・女です。」

の衝撃たるや。

台詞の衝撃もさることながら、「お嬢さんはもう・・・(不敵な笑み)」の!顔が!!

唇がクッと横に上がるその動きすらぞっとする美しさでした。絶対的に回したくない。

この場面もDVタンゴ同様ひたすら見続けられますね。劇団さん、円盤発売いつですか。

お葉と夢二

彦乃にはキスするのを一瞬ためらったのに、お葉に手を出すのは秒速でしたね。

お葉は、彦乃と他万喜を足して2で割ったような人だなと思いました。天真爛漫にも妖艶にもなれる。

過去情熱的に愛した二人の良いとこ取りならもっと夢二に愛されてもいいかな、と思いましたが、

黒船屋の絵を見てお葉が言った、「先生の心の中だけに住んでる人」という言葉を聞いて、心がぎゅーっとしました。

他万喜と出会うも日本画家と亜流画家の違いをどうしても感じてしまい、

彦乃に逃げても周りがそれを許さなかった。

ふたりの良いとこ取りのお葉を愛してみるも、何かが違う。

姉の言っていた「運命の相手」を探すあまりに愛が何か分からなくなり、描いた最高傑作「黒船屋」はこの世に存在し得ない夢二だけの恋人・・・。

夢二はとても淋しい人で、その淋しさを埋められる人はきっともう誰もいないのだなと感じた場面でした。

お葉も出て行き、彦乃も亡くなったあとの爆踊りも素晴らしかったです。

自分をナイフで刺すような振り付けが痛々しく、愛する人を失った悲しみや、愛とは何か、自分にとって「女」とは何か、自分は何を欲しているのか、分からなくなってもがいて苦しんでいるのがありありと伝わってくるダンスでした。

円盤ください。

白澤優二郎と竹久夢二

昭和と大正を行き来しながらお話が進んでいく訳ですが、頭の中がごちゃつくこともなくすんなり受け止められたのがとても不思議でした。

大正という時代背景も功を奏していたと思います。和装と洋装が入り乱れていた時代でしょうから、白澤監督と夢二の衣装が共有されててもおかしくないですしね。上手いなあと思いました。

最初あらすじを読んだときは、昭和ターンいる・・・?夢二だけでええやん和服見せてくれよ・・・と思っていた節もありましたが(笑)、全編通して見て昭和ターンの必要性を感じました。

白澤は最後礼奈とハッピーエンドでしたが、あれを夢二と他万喜ができるとは・・・思えない・・・。

夢二でハッピーエンドにすると、今までの愛憎劇は何だったんだよ!結局他万喜は夢二のキープかよ!!!となってしまいますが、全く別の人物を用意することで上手くタカラヅカっぽいところに着地したなあと思いました。

白澤が夢二の生き方と自分を重ねて見て「愛とは何か」を考えるに至り、お葉にかける言葉が「僕を置いて行かないでくれ!!」→「ようやく、愛し始めたところだよ・・・」に変化するのが素敵でしたね・・・。

その直前の場面、夢二/白澤がみんなに追い詰められるところは圧巻でした。あらゆる場面でぐさっときた言葉を矢継ぎ早に畳みかけられて、私もおかしくなりそうでした。あれは生で観たかったな~~~!!!

鳥籠、賛美歌、青い鳥

この3つは、配信1度きりでいろいろ考えるのは非常に難しいと感じた題材です。

特に「青い鳥」。

今回は「夢千鳥」というだけあって「鳥」がモチーフでしたが、正直無くても話成り立つな・・・と感じてしまいました。というか、1回見ただけじゃ夢二の話についていくのに必死で「青い鳥」まで気が回らん・・・

無いよりあった方が良い設定なのは間違いないので、ゆっくり考えるためにもう一度見せてください・・・。

結局白澤の青い鳥は礼奈ということでいいのかしら。今は赤い鳥だけど愛で温めて青い鳥にしていく・・・?

個人的には「温める」よりも「温め合って二人でお互いの青い鳥になろう」みたいな考え方の方が好きなので、勝手にそう解釈しておこうかな!笑

礼奈も初めの顔つきとは違って優しいお顔になっていたので、なんだかんだで白澤と礼奈は上手く行きそうな気がします。

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賛美歌も同じく理解が追いつかなかった部分です。峰里ちゃん賛美歌アカペラ強いな~~と思いましたが、あそこで賛美歌を挿入する意図は?神に許しを請うているの??

この辺はこう解釈したよ!って方がいたらぜひ教えてください・・・。

このあたりのモチーフの使い方を見ると、何回も何回も噛みしめて鑑賞したくなる素晴らしい作品だなと改めて思います。もう一度見たいよ…

おわりに

今回はディレイ配信の宙組公演『夢千鳥』を見て思ったことを率直に書きました。

フィナーレも最高だったよね!2回もデュエダンあるしスーパーソラカズキタイムは色気たっぷりやし!

本編では赤やら黒やら来ていた峰里ちゃんが2回目のデュエダンで水色っぽい色のドレスを着ていたのも素敵でした!あ、やっぱり礼奈は青い鳥か・・・。

これを円盤化しないのは本当に勿体ないのでどうかお願いします。もう一度見たいです。買います。

スヴィッツラでも夢千鳥でも宙組さんの素晴らしさが再確認できました。シャーロックホームズが楽しみ!

栗山先生のこれからの作品もとっても楽しみです!

それでは、

おあとがよろしいようで。

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