【感想】クチコミで大評判!『ウェイトレス』観てきました。

【感想】クチコミで大評判!『ウェイトレス』観てきました。

東京公演中にめちゃくちゃ評判のよかった『ウェイトレス』、ようやく観れましたー!

公演やるよーって発表された時はそんなに注目してなかったですが、

Twitterでブイブイ言わせてる強いオタクの皆様がこぞって「よい」とおっしゃっていたので、いそいそとU25のチケットを取って行ってきました。

え?実際どうやったって?

それでは、

レッツゴー!

概要

キャスト

ジェナ    高畑充希
ポマター医師 宮野真守
ドーン    宮澤エマ
ベッキー   LiLiCo/浦島りんこ
アール    渡辺大輔
オギー    おばたのお兄さん
カル     勝矢
ジョー    佐藤正宏

黒沼亮
田中真由
茶谷健太
中野太一
藤森蓮華
麦嶋真帆
渡辺七海
藤咲みどり(スウィング)

ルル 金子莉彩/御園紬/望月彩生

あらすじ

アメリカ南部の田舎町。そこにとびきりのパイを出すと評判のレストランがある。ウェイトレスのジェナ(高畑充希)はダメ男の夫・アール(渡辺大輔)の束縛で辛い生活から現実逃避するかのように、自分の頭にひらめくパイを作り続ける。そんなある日、アールの子を妊娠していることに気付く。訪れた産婦人科の若いポマター医師(宮野真守)に、「妊娠は嬉しくないけど産む」と正直に身の上を打ち明ける。
ジェナのウェイトレス仲間も、それぞれ自分のことで悩む日々。ドーン(宮澤エマ)は、オタクの自分を受け入れてくれる男性がこの世にいるのかと恋愛に臆病だが、出会いを求め投稿したプロフィール欄にオギー(おばたのお兄さん)からメッセージが届き困惑する。また、姉御肌のベッキー(Wキャスト:LiLiCo/浦嶋りんこ)は、料理人のカル(勝矢)と毎日のように言い争っている。ベッキーは病気の夫の看病と仕事を両立しているのだった。
ある日、店のオーナーのジョー(佐藤正宏)が、ジェナに「全国パイづくりコンテストに出場し、賞金を稼いだらどうか?」と提案する。その言葉をきっかけに、ジェナは優勝して賞金を獲得できたら、アールと別れようと強く決心する。
診察を受け、身の上話を語るうちに、ポマター医師に惹かれはじめるジェナ。ポマター医師もまた、ジェナへの想いを抑えられず、二人はお互いが既婚者と知りながら、一線を越えてしまうのだった。
そして、ジェナの出産の日は、刻一刻と近づいていく……。

ミュージカル『ウェイトレス』公式サイト「Story」より引用。https://www.tohostage.com/waitress/intro.html
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演出・脚本について

オール女性制作陣が紡ぐ物語

開演前、席に座ってパンフレットをめくるとあらびっくり。

脚本書いたの女性だなんて。

今まであまり気にしてきませんでしたが、パンフレットをめくると始めに出てくるのは

おじ様の顔写真とコメント

自分でも知らず知らずの間にこれが当たり前になっていたので、女性が出てきたのにまず驚きました。

読んでみると主要制作陣はみんな女性だとか。

(私、予備知識無さすぎた)

ミュージカルの制作現場を見たことがないので、これがどんなに凄いことなのかあまり実感は湧きませんが、

パンフレットの冒頭にありがちな、「日本公演ありがとう!」みたいなコメントを寄せている方々が全て女性というものを見たことはないので、きっとそういうことなんでしょう。

残念ながらまだ映画を見れていないので、比較したり、オール女性制作陣だからこそできる描写!みたいなことは言えませんが、出産については女性の生々しい感情が描かれていて、

夢はあるけど浮世離れしていない、程よいバランスが保たれていて、観終わった後どんよりしたり気持ちにはならないのに、内容はわりとセンシティブなのが珍しいタイプ の作品だなと思いました。

出産は、子育ては、パーティじゃない。

いつも観劇前はパラパラっとパンフレットを眺めるだけでしたが、1ページ目の衝撃もあり珍しくしっかり読みました。

中には、今回のミュージカルの原作にあたる映画『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』の監督・脚本を務めたエイドリアン・シェリーがこの物語に込めたメッセージを書いているページもあり、そこにはこう書かれていました。

「子供を持つことが本当に怖いと感じていました。」(中略)「人生がどう変わるのか分からないという恐ろしさは-多くの女性にとって重要なことですが-語られてきませんでした。それは冒涜的なこと-恐れてはならないこととされています。だからこそ、そういった恐れをテーマにした映画を撮りたい、その恐れに声を与えたいと思ったのです。」

ミュージカル『ウェイトレス』パンフレットp.9より引用。

そして、劇中ではジェナがこんな台詞を言います。

私は赤ちゃんを産む。でもパーティじゃない。

この一言が、忘れられません。

ジェナはきっと産まれた子供を大切にすると思います。

ただ、愛していない人の子を産む。

その子にこれからの人生の殆どを捧げなければいけない。

喜べないし、周りに喜ばれるのもしんどい。

後悔と嫌悪と他のお母さんみたいに喜べない罪悪感がごちゃまぜになったような感情が、この一言にギュッと詰まっているように感じました。

私は24歳独身女です。

電車で泣き叫んでる子供をあやしているお母さんを見かけると、大変そうやなあと思うと同時に、疲れているお母さんの顔を見て、あなたは今幸せ?と考えてしまうような奴です。

昔は、大人になったら当たり前のように結婚したいな、子供欲しいな、という感情が湧いてくるのだと思っていました。

最近SNSを見ていると、もう結婚した同級生や母になった同級が出てきています。

でも、私は子供は欲しくない。

もう十分大人の年齢。

結婚はしたいけど、子供は欲しくない。

自分の人生は別のものに捧げたいという気持ちが今は強いです。

でも周りの女の子たちは、早く結婚して子供を産みたいと言います。

あれ?私変なの??

たまにそう思います。

子供を産むのは喜ばしいこと。子供を求めるのは当たり前のこと。

気づかない間にそんな世間の「普通」の考え方に縛られて、

幸せそうに子供の姿をあげているSNSを見る度、言うことを聞いてくれないと愚痴を零しているのを見る度、ぼんやりと自分の中に湧き上がってくる「子供は欲しくない」という気持ちに罪悪感を抱えていました。

でも、

ジェナが子供を産みたくなかった気持ちとは少し違いますが、少なからず子供を産みたくないと思っている女性はいる。

子供は産みたくないと言える女性がいる。

子供を産むということは、決してパーティじゃない。

そう思ってもいいのだと、許された気持ちになりました。

また、こんなことも書かれていました。

シェリーは映画「ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた」を「私のベイビーへのラブレター」と呼んでいた。

ミュージカル『ウェイトレス』パンフレットp.9より引用。

ジェナも劇中、赤ちゃんに宛てて手紙を書くように語りかけている場面があります。

そこでは、

「他のお母さんみたいに飛び上がって喜べなくてごめんね」

「あなたのベビーベットは、あなたと私の将来のためのお金で買ったのよ」

等々、産まれてくる子供に冷たくあたるようなことも言っています。

今の世の中、少なくとも日本では、妊婦さんが上記のような発言をしようもんなら炎上待ったなしでしょう。

シェリーが映画に込めた「冒涜的と取られるかもしれない、それでも母親が抱える恐れ」というテーマは、ミュージカルにもしっかりと生きており、

エンターテイメント作品でありつつも、1人の女性としてぶち当たる問題を考えさせられる、とても大きな作品でした。

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Lulu’s PIESの看板

最後、この看板降りてきた瞬間にめちゃくちゃ泣きました。

たくさんの人に愛されているのが、あの看板にもギュッと詰まっているようでした。

「子供には父親がいる方がいい」

よく聞く言葉です。

あのろくでなし父親の元にいると幸せになれるとは思いませんが、ジェナも望んで産んだわけではありません。

あの子は誰に愛されるの?

産まれた瞬間はジェナも幸せそうでしたが、抱いているその赤ちゃんはろくでなしの血をひいています。

ふとした瞬間に見えるアールの影。

ふとした瞬間に、あの人に似ていると感じたら?ジェナはそれでもあの子を愛せるの?

意識してはいませんでしたが、今思うとそんなことを考えていたような気がします。

最後の場面に転換した時、今までの看板(JOE’s PIESなんたら、みたいな)が無くなっているのには気づいていました。

ジェナのパイ?ジェナのスペシャルパイ?

店の名前はなんだろな〜とお気楽に考えながら見ていて、そこに降りてきたのが

Lulu’s PIES

ああ、あの子は父親がいなくても

ジェナにたくさんの愛を注がれて、

お店のみんなにもたくさん愛されている。

よかった。

そんな気持ちが溢れて、涙がでたのかもしれません。

…でもどうしてそれだけでそんな泣いた?

自分の感情の起点がどこにあるのか気になったので、過去を振り返って考えてみました。

私は、中学の頃から母子家庭でした。

でも、特に父親が恋しかったわけではありません。

ただ、10代の頃は母親に

「なんでそんなことすんの?〇〇(父親)にそっくりやわ」

「〇〇(父親の苗字)の血は変えられへんな〜」

と、よく言われていました。もちろんいい意味ではありません。

私だって望んであなたと父親の元に生まれたわけじゃないと、ずっと思っていました。

今でこそ、それなりに仲は良いですが、私が子供を欲しいと思わない理由のひとつはここにある気がしています。

産まれたばかりのルルに自分を重ねるのもおかしな話ですが、

どうかあの子は父親の姿を投影されませんように。

無条件に愛されますように。

観ていたときはそんなこと意識していませんでしたが、無意識のうちにそう思っていたのかもしれません。

アールの子供は産みたくないと言い、お腹の子に向かって「飛び上がって喜べなくてごめんね」と語るジェナを、恐ろしく思っていたのだと思います。

ただ、ルルの名前が書いてある看板が降りてきたことで、あの子はしっかり愛されていることがわかりました。

とても安心しました。

あの時の涙は、安堵の涙だったのかなあと今では思います。

特に心に残ったキャストさんについて

ジェナ役 高畑充希さん

菊田一夫演劇賞おめでとうございます!

正直、今までこの方の歌が苦手でした。

でも今回めちゃくちゃ良くて…!

なんだろう、作品?キャラ?に合ってるな〜って感じがしました。

そもそもテレビで活躍してる人が舞台にまで進出して、幼い頃から舞台に出ることだけを夢みて頑張ってきた方達の枠を「客寄せパンダ」として奪わないで欲しいな、、、

という気持ちがあったので、高畑さんに対してもかなりの色眼鏡で見てたわけですが、、、

いやほんとすみませんでした…。

ピーターパンしてたしね…。キムもやる予定だったしね…。

かなり見方変わりました。

高畑さんの声質とか歌い方が今回の役にはピッタリ合っていましたよね…!

バス停でポマター先生と歌う歌が素敵で…!この動画の1曲目!『It Only Takes a Taste』という曲です。

高畑さんの歌い方って、U音とかO音の成分が強めに聞こえる気がしませんか?母音がA、Iのときも口が縦に奥に開いていて、低めのところで響いている感じがします。シャンソン歌えそう(とは)

ミュージカルの歌でカツンと言葉(A、I、U、E、O)を響かせてない感じの歌い方の人は個人的に好みではない(というか明瞭に聞き取りやすいように歌って欲しいだけ)ですが、

今回の演目に関しては舞台が現代・主人公の女性も恐らくアラサー?だったので、むしろハッキリハキハキ明瞭に〜の歌い方より、高畑さんみたいに少し暗めで大人っぽい響き方の発声の方が雰囲気合ってるなあと思いました。

2幕中盤の『She Used to Be Mine』、女性としての強さがガンガンに出ててかっこよかったよーーーー!!!

顔は可愛い系やのにパワフルな歌が歌えるなんて、、、

私、映画『バーレスク』が大好きなんですけど、その主人公を演じているクリスティーナ・アギレラさんを思い出しました。

キュートな顔でゴリゴリに歌う人はギャップが面白くて惹かれます。

反対に、ルルちゃんが生まれたあとの歌は裏声で歌ってることが多くて

声質変えることで女→母親になったことを表現したのかしら…?

なんにしろどっちも良かったです。

オギー役 おばたのお兄さん

歌もダンスも凄いよー!というツイートをたくさん見ていたので、とっても楽しみにしてました。

今回のMVPだと思います

髪型の気持ち悪さにええっ…ってなりましたが、皆さんの言ってたとおり歌もダンスも素晴らしかったです。

めちゃめちゃ動き回りながら歌ってるのに声が全然ブレないし、言葉は聞き取りやすいし、オギーの言葉として聞こえてきたし、素敵でした!

宮澤エマさんと2人で歌えちゃうのよ…?羨ましいね…?

ダンスも体幹強いからキビキビキレキレやし、

もっと目立つところでやればいいのにわざわざ舞台の奥の方でさらっとバク転するし、

曲終わり椅子座る時は椅子の背もたれを跳び箱っぽく後ろから飛び越えてあしひろげたままストンと座るし、

芸達者が過ぎてる👏🏻

本職的にはコメディ要素ある方がいいんやろうけど、普通にシリアスなミュージカルも出られそうな感じしました。良き声良きダンス。すごかったです。

アール役 渡辺大輔さん

あの、私、人の名前覚えるのが苦手でしてね…

うーん聞いたことあるなー誰やったっけなー

って思いながら見てたんですけど、歌い出した途端

デムーランや!!!!

(※ ミュージカル1789出演時の渡辺大輔さんの役)

思い出しました。

今回はデムーランと違ってろくでなしのクソ男やけど、しっかり美声でイライラしました。

ジェナの妊娠を聞いた時に「俺より赤ん坊を愛するな」的なことを言ったのもドン引きでしたし、

2幕、ジェナのへそくりを見つけて問い詰める場面は、モラハラろくでなし臭で鼻がおかしくなるぐらい気持ち悪かったです。渡辺大輔さんごと嫌いになりそうでした。

でもあんなに取り乱すってことは、ジェナは自分を裏切らないって思ってたんですよね…?裏切られたと思い込んで傷ついてるんですよね…?

アール、あまり愛されずに育った感じするなあ。それはそれで気の毒。ろくでなしに変わりないけど。

髪型と話し方だけでなく、撒き散らす存在感まで不快でした。

デムーランは好青年だっただけに、振り幅が凄いなあ…と思いながら観ていました。

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細かいところをいろいろ

緞帳

客席に入ると目に入るのは、美味しそうなパイ!

…のイラストが書いてある緞帳でした。

あれは「ちょっとワイルドなワイルドベリーのパイ」かな。

なんせ、お腹すきます。

舞台の端にパイがたくさん

透明のショーケースあるじゃないですか。

あれが、舞台の両方の端っこにありまして。細長いタワーのように。

上から下まで一段ずつパイが飾られてます。

見た目可愛いし、お腹すきます。

あれらしいですね。BW版は劇場入ったらパイの匂いがしたそうで。

いいな〜!コロナ禍じゃなかったらそんな演出もあったんかな。それとも私の鼻が効いてないだけかな。

ピアノの上は食器置き場

上のTwitterの写真、右奥の方見えますかね…?

今回、舞台の上手奥にバンドさんがいたんですけど、グランドピアノの蓋の上が物置になってまして。

今から出す料理を置いてたり、食器置いてたり、

Vector Glass transparent half-sphere lid with handle on white background

↑こんなやつ(クローシュ と言うらしいです。)置いてたり。

もしかしてバンドさんはあのレストランの専属バンド?と思えるくらい舞台の一部になってました。

バンド見えるの楽しいね!

色々やるぞバンドマン

ふとバンドさんを見たのは、おばたのお兄さん演じるオギーと宮澤エマさん演じるドーンの結婚式。

あれ

海賊帽かぶってない???

↑こんなやつです。真っ黒でしたが。

全員被って真顔で演奏していたので、めちゃくちゃシュールでした。

結婚式終わったらスっと脱いでました。

もしかしてほかの場面も色々やってたのかしら…

キッチン横の看板

上のTwitterの動画、右側に写っている「PIE SPECIAL」という黒板、ほんとにその日のスペシャルパイの名前が英語で書かれていました。

ジョーはここを見て注文してたんですね。

…それだけです。

おわりに

いやーーーー

楽しいし観たあとほっこりするけど、しっかり今後の人生を考えさせられるメッセージ性の強い作品でした。

再演したら今度はもっと前で見たいなー!

パイがどれも美味しそうでした!(そこ)

パンフレットに、「ちょっとワイルドなワイルドベリーパイ」風パイの作り方が載っていたので、今度作ってみようかな…パイは市販のやつ使っていいよって書いてたし…

衣装も小道具もキュートで、でも話の内容は現実味があって、夢とリアルのバランスが絶妙な作品でした!楽しかった!

それでは、

おあとがよろしいようで。

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